‘科学’ Archive

DNA 2008 Feb 24
Rating: 5
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予備知識なしに読める圧倒的な分かりやすさで、遺伝子組換えや遺伝子治療など身の回りに迫ったDNA問題を仕組みから根こそぎ理解できる素晴らしい本。 著者は二重らせんを発見したノーベル賞科学者のワトソン。 『DNA (上) (ブルーバックス)』
J・ワトソン


この本が優れているのは、DNA研究をめぐって学界・業界・政界の思惑がいかに衝突してきたかが鮮明に描き出されている点。 これはワトソンが二重らせん以後も重要プロジェクトを率いてきたからできたことだ。

DNA研究がこんな異種格闘戦になったのは、DNAが他ならぬヒトそのものを解明する挑戦だからだ。 続きを読む… »

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テレポーテーション 瞬間移動の夢 2007 Oct 29
Rating: 4
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驚いたことに物質を瞬間移動させるための基礎技術はすでに実現しているという。さすがに日常的な人や物の移動となるとメドすら立っていないが、それでも基本原理から考えて確かにこうなるはずだというテレポートの将来像が描かれている。 『テレポーテーション 瞬間移動の夢』
D・ダーリング


魔術のようだが科学の話で、この本は量子物理学の先端動向を整理したもの。

現実世界のテレポーテーションとは、量子テレポーテーションのことだ。完璧に正確な複製をつくるには量子レベルでおこなうしかない。

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量子力学の奇妙なところが思ったほど奇妙でないわけ 2007 Sep 20
Rating: 4
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有名な「パブロフの犬」よりややマイナーなペットに「シュレーディンガーの猫」がいる。この猫があまり有名になれないのは、量子力学の不思議なふるまいが理解しづらいからだろう。 『量子力学の奇妙なところが思ったほど奇妙でないわけ』
デヴィッド リンドリー


この本は「シュレーディンガーの猫」を含む量子論の世界で、具体的に何が起こっているのかというイメージを伝えてくれる。 実験レポートのように詳細に観察する語り口のおかげで、数式抜きに分かった気になれる。先ほど冒頭のWikipediaの記事を読んでも意味がとれなかったことを考えると、このやはりうまく書けているのだと実感する。 続きを読む… »

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光と物質のふしぎな理論―私の量子電磁力学 (岩波現代文庫) そして世界に不確定性がもたらされた―ハイゼンベルクの物理学革命 ホーキング 虚時間の宇宙 (ブルーバックス) 生命とは何か―物理的にみた生細胞 (岩波文庫) シュレーディンガーの子猫たち―実在の探究

ダイソン博士の太陽・ゲノム・インターネット 2007 Apr 30
Rating: 4.5
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原著の副題は”Tools of Scientific Revolutions”で、道具の進歩から起こる科学革命にフォーカスして予測した本。『科学の未来』が遠い未来まで見通そうとしているのに対して、この本は近未来に間違いなく大きな影響をもたらす技術に絞ってより具体的なすがたを描いている。 『ダイソン博士の太陽・ゲノム・インターネット―未来社会と科学技術大予測』
フリーマン・J. ダイソン


タイトルと表紙だけを見ると宗教がかったインチキ科学本のように見えてしまうが、それはひとえに日本語版の出版社が悪い。じっさいの内容は、常人離れした幅広さと深さを持つサイエンスの知識を駆使して、これから起こる科学技術の利用像と課題を先どりしたものだ。 続きを読む… »

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The Scientist as Rebel (New York Review Books) ガイアの素顔―科学・人類・宇宙をめぐる29章 銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎 奪われし未来 失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)

科学の未来 2007 Apr 6
Rating: 4.5
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物理学者だが様々なサイエンスに通じているフリーマン=ダイソン(Wikipedia、英語版の方が詳しい)が科学と社会の関わりを整理したうえで未来を読んだ本。 『科学の未来』
フリーマン ダイソン


この本のユニークなところは、いくつかのSFを引き合いに出しながら教訓を導く手法。 ダイソンの未来予測は現在の科学技術の単なる延長を語ったものではないから、SFのような空想を下敷きにしてスケールの大きな仮説を次々に繰り出す。 10年後、100年後くらいはまだ分かるが、それに加えて1000年後、1万年後、10万年後、100万年後、さらにそれ以後、という7つのタイムスケールでそれぞれ何が言えるのかを検討していく。

読んだあとに改めてそんな超長期スパンについて想像してみようとしたが、そもそも10万年後と100万年後を区別することすらできず、まして当てずっぽうにも何が起きそうかということすら思いつかない。 いかにダイソンが尋常の思考を超えているかを思い知った。 続きを読む… »

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ガイアの素顔―科学・人類・宇宙をめぐる29章 叛逆としての科学―本を語り、文化を読む22章 Infinite in All Directions: Gifford Lectures Given at Aberdeen, Scotland April--November 1985 ザ・マインドマップ 宇宙をかき乱すべきか〈上〉 (ちくま学芸文庫)

知恵の樹?生きている世界はどのようにして生まれるのか 2006 Oct 23
Rating: 4.5
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あらゆる生物があらゆるレベルでオートポイエーシスという名前の普遍的なやり方で生きている、という新たな見方を提示した本。 生物は絶えず物質を入れ替えて生きている。言い替えると自分を再生産し続けている。 自分が生き続けられるように再生産し続けることをオートポイエーシスと呼ぶ。 『知恵の樹―生きている世界はどのようにして生まれるのか (ちくま学芸文庫)』
ウンベルト マトゥラーナ フランシスコ バレーラ


オートポイエーシスはそれぞれの個体・細胞が自分勝手に生きていると見るところにポイントがある。自分勝手に生きているものの中には環境が合わないものも出て来るので、そういうものはさっさと死んで行く。

この本では、細胞のレベル、生物個体(細胞の集積体)レベル、社会(個体の集積体)レベルのそれぞれで同じようにオートポイエーシスが成り立っていることを豊富な例で理解できる。 続きを読む… »

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オートポイエーシス―生命システムとはなにか 身体化された心―仏教思想からのエナクティブ・アプローチ オートポイエーシス―第三世代システム こころの情報学 (ちくま新書) 基礎情報学―生命から社会へ

エコロジー的思考のすすめ?思考の技術 2006 Sep 30
Rating: 4.5
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この本はエコロジーをテーマにしてはいるが、普通の人が想像する省エネとかリサイクルだけを扱った本ではない。副題の「思考の技術」に注目して欲しい。 この本が1971年に出版されたとき、原題は『思考の技術・エコロジー的発想のすすめ』だったのだ。これが立花隆のデビュー作。 『エコロジー的思考のすすめ―思考の技術 (中公文庫)』
立花 隆


人間社会を含めた自然界は複雑で壮大な生態系になっている。一般的に知られているのは食物連鎖だろう。ある害虫を根絶すると今度は別の害虫が大発生するという話は聞いたことがあるだろう。

この本の主張はあらゆることを生態系を見るような観点から理解すべきである、という点にある。現実の事象とは複雑にからみあったものなのだから、一面的な見方は判断を誤るため危険だということだ。

1990年に文庫版を出版するにあたり「文庫版あとがき」が追加されているが、内容が全く古びていないために一ヶ所を除いて書きかえていないと立花自身が語っている。 そして21世紀に入っても全く古びないどころか同じ問題がますます深刻になっている。 続きを読む… »

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